所得補償保険のいろは

混乱しやすい収入保障保険との違いetc.

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所得補償保険って本当に必要なの?

      2017/03/05

損害保険会社が販売している保険商品の一つに「所得補償保険」があります。

同じタイプの商品で生命保険会社が販売しているものは「就業不能保険」という名称ですが、内容としては所得補償保険と一緒で「病気やケガで仕事ができなくなり、無収入になってしまうリスクに備えて入っておくとよい保険」になります。

ただ、所得補償保険といった種類の保険に入っておく意味はあるのでしょうか?

他の保険商品や社会保障制度があれば必要ないのではないでしょうか?

この辺りの所得補償保険の要不要について、少し議論してみたいと思います。

 

まず、日本においては充実した社会保障制度があり、多くの方が公的な健康保険制度に加入していますから、所得補償保険や就業不能保険が絶対になければ困窮してしまう、といったことはほとんどないと言えます。

特に、会社員の方なら、健康保険による「傷病手当金」という制度によって「収入の2/3」が最長1年半もの間補償されます。

また、その後も回復が見込めないと判断されれば、「厚生年金の障害年金」を受け取れる可能性も出てきますので、会社員の方にとっては基本的には所得補償保険は必要ないように思えます。

 

ただ、こうした健康保険の制度を使ったとしても、以前と全く同じかそれに近い生活水準を維持できるわけではありません。

上記のように、収入は2/3に減ってしまいますし、しかもそれが1年半しか補償されません。

また、障害年金といっても審査が厳しく「働くことが難しい状態でも障害年金を受け取るほどではない」という状態の方はいらっしゃると思いますので、結果的に障害年金をもらえず、働くこともできないとなると結果的には生活に困窮してしまいます。

 

会社員の方以上に大変なのが「自営業」の方です。

自営業の方は会社員ではないので国民健康保険以外は公的な健康保険に加入していません。

また、厚生年金にも加入していないので、それらによる補償を得ることができません。

国民健康保険には傷病手当金に該当するような制度がないため、病気やケガになってしまうと一気に収入が得られない、あるいは大幅にダウンしてしまうリスクを常に抱えていることになります。

 

「医療保険」に加入している方もいらっしゃるかと思います。

医療保険は、「入院」「通院」「手術」をした場合に給付金が支払われる仕組みの保険ですが、「働けない状態」=「常に入院や通院、手術をしている状態」ではないので、医療保険がそのまま所得補償保険の代わりに生活まで補償してくれるかというとそうはいきません。

医療費にかかる部分を補償してくれるのが医療保険だとしたら、生活にかかる部分を補償してくれるのが所得補償保険ということになります。

もし自営業の方で、貯蓄もあまりないという方(あるいは貯蓄を崩したくない方)は、所得補償保険や就業不能保険に加入しておいた方がいざとなった時のために良いかもしれません。

 - 所得補償保険の知識

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